今後のプラチナ価格の見通しは?
プラチナ価格はこの10年間で急上昇しており、2008年3月には1トロイオンス=2308.80ドルという史上最高値をつけています。
ただし、その後はサブプライムローンショックやリーマンショックにより、自動車販売台数が激減したことから、プラチナ触媒の需要も減少し、価格は下落しています。
とはいえ、世界的な景気低迷期にでさえ、欧州の排ガス規制強化や中国・インド経済の復調などがありますので、2009年以降も触媒にプラチナが使用される量は少しずつ増えていくものと思われます。
さらに、米ビッグスリーの再建や、北米経済の復活が数年内に果たされれば、触媒としての需要は一挙に急騰すると予想されます。
プラチナにとって弱気の材料とは?
プラチナにとって弱気の材料としては、プラチナ価格の高騰に頭を悩ませている自動車メーカーが脱プラチナを目指し、研究開発を進めていることがあげられます。
具体的には、日産自動車は名古屋大学との共同開発によって、鉄系の代替物質を混ぜ、プラチナ量を半減させることで、浄化装置の低コスト化を図ることに成功しています。
ただし、5年後の実用化を狙っているものの、プラチナを減らすことはできても、完全に置き換えるまでには至っていません。
つまり、今のところは、少プラチナ化が成功したとしても、触媒としてのプラチナの重要性に変わりはないということです。 |